アラフィフWebマーケターがフリーランスに転身した話|準備したこと・苦労したこと・1年後の本音

アラフィフでフリーランスに転身した話

「40代後半でフリーランスになんてなれるのか」 「派遣社員歴が長いと、もう正社員には戻れないのか」 「このまま会社員を続けるのが正解なのか」

転身を考えていた当時、こんな問いが頭をぐるぐると巡っていました。

私はIT企業・広告業界・事業会社など複数の職場を渡り歩き、アラフィフでWebマーケター・Webディレクターとしてフリーランスに転身しました。転身のきっかけは「たまたま仕事が見つかったから」という偶発的なものでしたが、その裏には2年以上かけて少しずつ準備してきた経緯があります。

この記事では、私がフリーランスになるまでにやってきたこと、転身後に感じた本音、1年経った今の正直な気持ちを、包み隠さず書いています。華やかな成功談ではありませんが、同じような境遇で迷っている方の参考になれば嬉しいです。

まず転身前の準備内容を知りたい方はこちら
フリーランス転身前にやっておくべき準備リスト

目次

私がフリーランスになるまでの経歴【器用貧乏が武器になった話】

IT・広告・マーケティングをまたいだ異色のキャリア

IT企業でエンジニア職と営業職、広告代理店でSEM・CRMを担当。その後、事業会社でインハウスマーケター・Webディレクターとして、デジタルマーケティングの幅広い業務を担当しました。

エンジニア、営業、マーケター、ディレクター。自分でも「何屋さん?」と思うような経歴です。「器用貧乏が出来上がりました」というのが本当のところでした。

派遣社員で6年インハウスマーケターを続けた理由

直近の事業会社では、派遣社員として6年を過ごしました。社員と同様の権限を持たせてもらい、広告予算の管理から施策の立案・実行まで任せてもらえる環境でした。「あんなに数値を追いまくっていた派遣社員は他にいない」という自負が、ひそかにあります。

ただ、派遣社員という立場への物足りなさは常にありました。どれだけ成果を出しても、雇用の安定という意味では社員と同じ立場にはなれない。そのモヤモヤが、転身を考える原点のひとつになっていました。

「器用貧乏」だと思っていた経歴がフリーランスで活きた

正社員での転職活動は、年齢とキャリアの特殊さが重なって難航しました(その詳しい経緯は次の章で触れます)。ところが、フリーランスの世界では話がまるで変わりました。

専門性が一点に集中していなくても、Webマーケティングの上流から下流まで幅広く経験していることが「即戦力」として評価されたのです。1人で複数の役割をこなせる人材は、特に中小企業やスタートアップのクライアントから重宝されます。「器用貧乏」だと思っていた経歴が、フリーランスでは間違いなく武器になりました。

なぜフリーランスになったのか|偶然と必然が重なった転身の理由

直接のきっかけは「たまたま案件が見つかったこと」

正直に言うと、転身の直接のきっかけは「フリーランスの仕事がたまたま見つかったから」です。計画的にフリーランスを目指してきたというより、タイミングが重なった、というのが実態に近いです。

こう書くと偶発的で受動的に聞こえるかもしれませんが、その「たまたま」を引き寄せるための準備は、2年ほど前から少しずつ進めていました。

転身2年前にエージェント登録して可能性を確かめた

フリーランスに転身する2年ほど前、試しにフリーランス向けのエージェントに登録してみました。当時は転身を具体的に決めていたわけではなく、「自分の経歴でフリーランスとして通用するのか」を確かめたかっただけです。

そのとき「あなたの経験なら、今すぐこれだけの案件を紹介できます」と、思っていた以上に前向きな反応をもらえました。その経験が、フリーランス転身を現実的な選択肢として意識するきっかけになりました。

正社員転職を諦めた理由(年齢・派遣歴の壁)

転身を考え始めた頃は、正社員での転職も並行して試みていました。ところが結果は厳しいものでした。エージェントからスカウトをもらっても、「派遣社員での就業だった」と伝えた途端に音信不通になる。面談まで進んでも「派遣社員での経験です」と話した瞬間に選考が止まる。そんなケースが何度も続きました。

年齢と派遣歴という2つの要因が重なると、正社員転職の道は相当に険しいと判断しました。焦って妥協した条件で正社員になるよりも、自分の経験を正当に評価してくれるフリーランスの道を選ぶ方が合理的だと思えるようになりました。

派遣社員への物足りなさと「もっとやれる」という感覚

もう一つの理由として、派遣社員として働き続けることへの物足りなさがありました。責任のある仕事を任せてもらえている反面、雇用形態という壁がどこかに常にある。評価されても、それが正社員登用や待遇改善に直結しない歯がゆさがありました。

「もっとやれるはずなのに、この立場では限界がある」という感覚が積み重なって、フリーランスへの転身を後押ししました。半分は前向きな理由、半分はネガティブな理由。どちらが欠けても、転身には踏み切れなかったと思います。

フリーランスになる前にやった7つの準備【在職中に動いてよかったこと】

転身を決意してから動き出すまでに、以下の7つの準備を進めました。手順の詳細はそれぞれ専門の記事にまとめているので、ここでは「なぜやったか」「やってみて実際どう感じたか」を中心に書きます。

①フリーランスエージェントへの登録

前述の通り、転身の2年ほど前にフリーランス向けエージェントへ登録していました。私が実際に利用したのは、Web・ゲーム系のクリエイティブ職に特化した「レバテッククリエイター」です。

Webディレクター・デザイナー・マーケターなどの案件を専門に扱っているサービスなので、私のような経歴とは相性が良く、登録時の面談で自分の経験・希望条件を詳しく話したところ、そこから案件の紹介へとつながりました。

フリーランスエージェントを使う最大のメリットは、「自分の市場価値を客観的に把握できること」だと感じています。担当者から「あなたの経験ならこの単価で出せます」と言ってもらえると、転身への自信と現実感が同時に得られます。まだ転身を迷っている段階であっても、登録して話を聞いてみるだけで大きな収穫がありました。

エージェントの選び方、複数登録の考え方、登録から案件獲得までの実際の流れは、別記事に詳しくまとめています。
Webマーケフリーランスが案件を獲得するまでにやったこと

②スキル棚卸・職務経歴書のブラッシュアップ

フリーランスになるにも、職務経歴書は必要です。エージェントへの登録、案件への応募、クライアントへのプレゼン。いずれの場面でも自分の経歴を整理した資料は欠かせません。

この作業を通じて実感したのは、「自分のスキルを言語化することの難しさ」でした。「なんとなくやってきた」では通用しない。どの業務でどんな成果を出したか、数字で語れるエピソードをどれだけ持っているか。改めて棚卸しする作業は、転身への準備というより自己理解の深化でもありました。

時間はかかりますが、ここを丁寧にやっておくと、その後の面談や提案が驚くほどスムーズになります。在職中の早い段階から始めておくことをお勧めします。

③会計ソフトの導入

フリーランスになると、税務・会計の処理を自分でやる必要が出てきます。税理士に全部お任せする選択肢もありますが、費用を抑えたかったため、クラウド会計ソフトを自分で導入することにしました。

選んだのはfreeeです。「簿記の知識がなくても使える」「開業届の作成まで一気にできる」という点が決め手でした。実際に使ってみると、銀行口座やクレジットカードとの連携が簡単で、日々の記帳の手間が大幅に減ったのが何よりありがたかったです。

会計ソフトの比較や選び方は別記事で詳しくまとめています。フリーランスになりたての方・簿記に自信がない方は、そちらも参考にしてみてください。
フリーランスの会計ソフト比較|freeeを選んだ理由

④開業届・青色申告承認申請書の提出

freeeを導入すると、開業届と青色申告承認申請書をソフト上で作成できます。ガイダンスに従って入力するだけで書類が完成したので、「こんなに簡単でいいのか」と拍子抜けするほどでした。

ここで一点だけ気をつけたいのが提出のタイミングです。開業届は転身後でも提出できますが、青色申告承認申請書は開業日から2ヶ月以内の提出が必要なので、転身直後に忘れず対応しておきましょう。青色申告特別控除は、e-Taxによる電子申告など一定の要件を満たせば最大65万円。フリーランスとして活動するなら、まず申請しておいて損はありません。

具体的な書き方・提出手順は別記事にまとめています。
フリーランスの開業届・青色申告申請書を自分でやってみた

⑤事業用クレジットカードの準備

プライベートの支出と事業の支出を混在させると、確定申告の際に仕訳がとても煩雑になります。転身にあたって事業用のクレジットカードを1枚申し込み、事業に関わる支出はすべてそのカードに集約するようにしました。

転身前にやっておいて本当に良かったことのひとつです。後から「あの支払いは経費だったのか、プライベートだったのか」と頭を悩ませる手間が、まるごと省けます。すでに複数枚持っている場合は、1枚を事業専用に決めて使い分けるだけでも十分効果があります。

⑥Google Workspace契約・独自ドメイン取得

クライアントとやり取りする際、フリーのメールアドレス(GmailやYahooメール)より、独自ドメインのビジネスメールの方が信頼感を与えやすい。そう感じて、Google Workspaceを契約し独自ドメインを取得しました。

実際に使ってみると、独自ドメインのメールで連絡するだけで「ちゃんとした事業者」という印象を持ってもらいやすいと感じています。費用は月数百円〜千円程度ですが、信頼性への投資として十分に元が取れています。

なお、独自ドメインのメール以外にも、フリーランスの仕事を支えてくれるツールはいくつかあります。普段使っているものは別記事でまとめています。
フリーランスにおすすめのクラウドツール5選

⑦仕事用電話番号の取得(デュアルSIM活用)

プライベートと仕事の電話番号を分けることで、会計処理が明確になるほか、オンとオフの切り分けがしやすくなります。

私はiPhoneがデュアルSIMに対応していたため、格安SIM(MVNO)の最安プランを追加契約し、仕事用番号として使っています。1台のスマホでプライベートと仕事の発着信を使い分けられるため、余分なスマホを持ち歩く必要がありません。

転身してから1年、正直どうだったか【収入・生活・メンタルの変化】

収入面:会社員時代と比べてどう変わったか

フリーランスに転身してから1年が経ちました。転身直後は「本当にやっていけるのか」という不安が常にありました。会社員時代は毎月決まった日に給与が振り込まれていましたが、フリーランスになると入金のタイミングも金額も自分次第になります。

実際のところ、収入の額そのものは会社員時代と比べて大幅に悪化したということはありませんでした。ただ、安定性という意味では会社員時代の方が圧倒的に楽だった、というのが実感です。月によって稼働も入金も変動するので、「来月もこの水準が続く保証はどこにもない」という前提で家計を組む必要があります。

転身を考えている方には、少なくとも3〜6ヶ月分の生活費を貯蓄として確保した上で動き始めることをお勧めします。この備えがあるかないかで、最初の数ヶ月の精神的な余裕がまるで変わってきます。

仕事面:案件獲得の現実・苦労したこと

エージェント経由で最初の案件は比較的早く見つかりました。ただ、案件が継続するかどうかは別の話です。契約更新が近づくたびに「また次も続けてもらえるのか」という不安が顔を出します。会社員であれば、よほどのことがない限り翌月も仕事がある。その当たり前が、フリーランスにはありません。

実際、最初の契約更新のタイミングは、結果が出るまで落ち着かない時間が続きました。1〜2社のエージェントだけに依存していると、こうした更新のたびに選択肢が狭まるリスクもあります。複数のエージェントに登録しておくこと、直接の人脈やSNS経由でも案件が来る仕組みを少しずつ作っておくこと。この2つが安定につながると、身をもって実感しました。

メンタル面:孤独より「スキルへの不安」と向き合っている

フリーランスというと「孤独」がデメリットの代表格として語られます。一日中ひとりで在宅作業をして、誰とも話さない日が続く——そんなイメージです。ただ、私自身は今のところ孤独感をほとんど感じていません。現在参画している案件が出社を伴うスタイルで、会社員時代と同じように人と顔を合わせて働く時間があるからです。孤独を感じるかどうかは、案件の選び方次第の面が大きいと感じています。

その代わりに、常に抱えている不安が別にあります。「スキルを伸ばし続けないと、次の案件が取れなくなるのではないか」という危機感です。フリーランスは、自分の実力がそのまま案件獲得に直結します。今の案件が続いているうちは安心していられても、立ち止まった瞬間に置いていかれる——そんな感覚が常に頭の片隅にあります。

だからこそ、情報のキャッチアップは習慣にしています。業界の動向を追い、新しいツールや手法は実際に自分で触ってみる。この不安が完全に消えることはありませんが、「学び続けている」という事実そのものが、逆に自分を落ち着かせてくれています。

アラフィフでのフリーランス転身、やってよかったと思うか

それでもやってよかったと思う理由(経験が正当に評価される)

結論から言うと、やってよかったと思っています。前章で書いたとおり、収入の不安定さや、スキルを伸ばし続けるプレッシャーといったしんどさは確かにあり、誰にでも手放しでおすすめできるわけではありません。それでもなお「やってよかった」と言える理由を、ここでお伝えします。

いちばんは、自分の経験・スキルが正当に評価される感覚です。会社員時代は「派遣社員だから」という見えない壁を感じることが多くありましたが、フリーランスでは実力と成果で評価してもらえる場面が増えました。

もちろん、フルタイムで組織に常駐しカルチャーフィットを重視される案件では、年齢が壁になる場面もあると思います。ただ、専門性や成果で選ばれる仕事なら年齢の影響は小さく、私自身もそこで評価してもらえました。

また、複数のクライアントと仕事をすることでスキルの幅がさらに広がったことも、転身してよかったと感じる点のひとつです。特定の会社の中だけでは得られなかった視野が、確実に生まれています。

転身を迷っている同年代へ伝えたいこと

「アラフィフでフリーランスになるのは遅すぎる」と思っているなら、私はそうは思いません。ただ、「誰でもうまくいく」とも言いません。

うまくいきやすい人の条件をあえて挙げると、これまでの経験でクライアントに提供できる価値が明確にある人、収入が不安定な時期を乗り越えられる貯蓄と精神力がある人、自分でスケジュールや仕事を管理できる人。この3つが揃っているかどうかが、ひとつの目安になると思います。

転身を迷っているなら、まずエージェントに登録して話を聞いてみることをお勧めします。「自分の経験でどんな案件が取れるのか」を知るだけで、転身の現実感が大きく変わります。私自身、2年前のあの面談がなければ、踏み切れていなかったかもしれません。

まとめ

この記事でお伝えしたことを3点でまとめます。

  • フリーランス転身のきっかけは偶発的でも、準備は2年前から始めていた
  • 準備の中で特に重要だったのはエージェント登録・会計ソフト導入・開業届の提出
  • 転身後1年の本音は「やってよかった」。一方で案件の継続や収入の安定性は、常に意識しておく必要がある

フリーランス転身を考えている方は、まず「自分の経験が市場でどう評価されるか」を確かめることから始めてみてください。エージェントへの登録は無料ででき、それだけで転身の解像度が一気に上がります。

転身前の準備や、案件獲得までの具体的な進め方は、こちらの記事でまとめています。
フリーランス転身前にやっておくべき準備リスト
Webマーケフリーランスが案件を獲得するまでにやったこと

この記事を書いた人

会社員からフリーランスに転身したアラフィフ。Webマーケティングとディレクションを軸に、ひとりで働いています。
「会社を出ても、なんとかなる」を、きれいごと抜きの実体験で発信中。使ってよかったツールも、つまずいた失敗も、そのまま書いています。

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