フリーランスになるとき、多くの人が最初にぶつかる壁が「案件をどうやって獲得するか」です。
エンジニアは案件数も多くエージェントも充実しているイメージがありますが、Webマーケター・Webディレクターはどうなのか——転身前、私もここが一番不安でした。
先に結論をお伝えします。すでに実務経験がある人は、フリーランスエージェントを使うのが案件獲得の最短ルートです。一方で、未経験の人や副業から始めたい人は、いきなりエージェントではなく「クラウドソーシングで小さな実績を積む」ところからのスタートが現実的です。
この記事では、その両方のルートを、私がアラフィフで転身したときの実体験を交えて整理します。「エンジニアではないWebマーケ・ディレクター系で、最初の案件をどう取ればいいか知りたい」という方の参考になれば幸いです。
転身の経緯そのものは、こちらにまとめています。
→アラフィフでフリーランスに転身したときの体験談
案件獲得のルートは大きく3つある
フリーランスがWeb案件を獲得するルートは、大きく次の3つです。まずは全体像をつかんでください。
①フリーランスエージェント経由
フリーランス専門のエージェントに登録し、案件を紹介してもらう方法です。自分で案件を探す手間が省け、単価交渉や契約手続きもサポートしてくれるため、すでに実務経験がある人には最短ルートになります。
デメリットは、エージェントが仲介手数料を取るため、直接契約より手取りが少なくなることです(マージン率は非公開のことが多く、一般に10〜25%程度)。また、エージェントが持つ案件の傾向によって、紹介される案件に偏りが出ることもあります。
②クラウドソーシング経由
クラウドワークスやランサーズなど、発注者とフリーランスをつなぐプラットフォームを使う方法です。自分でプロフィールを作り、案件に応募するか、スカウトを受けて受注します。
単価は低めの傾向がありますが、登録は無料で、実績ゼロからでも始められます。経験が浅い段階の実績づくりや、副業として小さく始めたい人に向いています。後ほど、未経験・副業の方向けに具体的な進め方を解説します。
③人脈・SNS経由
これまでの仕事で築いた人脈からの紹介や、X・ブログでの発信を通じて直接依頼を受ける方法です。手数料がかからず、信頼関係が基盤になるため条件面でも合意しやすい傾向があります。
ただし、紹介だけに頼ると案件が途切れるリスクが高いのが弱点です。メインのチャネル(エージェントやクラウドソーシング)を持ちつつ、サブとして育てるのが現実的です。
未経験・副業から始めるなら|実績ゼロからの最初の一歩
ここは「これからWebマーケに挑戦したい」「会社員のうちに副業で試したい」という方に向けたパートです。
正直にお伝えすると、エージェント経由の案件は実務経験があることが前提になるケースがほとんどです。だからこそ、未経験・副業の段階では「まず小さな実績を作る」ことが最優先になります。
まずはクラウドソーシングで小さく実績を作る
最初の一歩としておすすめなのが、クラウドワークスとランサーズです。どちらも登録は無料で、報酬が確定したときだけ手数料がかかる仕組みなので、リスクなく始められます。
手数料体系は次のとおりです(2026年時点)。
クラウドワークス:
報酬額に応じた段階制(おおむね5〜20%。タスク形式は一律20%)。高単価になるほど料率が下がる。
ランサーズ:
一律16.5%(税込)
ざっくり言うと、10万円以下の案件はランサーズのほうが手取りが多くなりやすく、高単価案件ではクラウドワークスが有利になる場面もあります。どちらか一方に絞る必要はないので、まずは両方に登録して案件を見比べるのがおすすめです。
Webマーケ系であれば、「広告レポートの作成」「キーワード調査」「記事構成案づくり」「GA4の初期設定サポート」など、小さく受けられる案件から実績と評価を積んでいけます。この段階は単価で選ばず、「実績になるか・評価がもらえるか」で選ぶと割り切るのがコツです。
もうひとつ、自分のスキルを“出品して待つ”タイプのサービスとしてココナラもあります。クラウドワークスやランサーズが「案件に応募して受注する」型なのに対し、ココナラは「得意なことをパッケージにして出品し、相談が来るのを待つ」型です。応募型と組み合わせると、受注のきっかけを増やせます。
▼ まず実績を作りたい人向け
副業で「稼働実績+ポートフォリオ」を貯める
会社員のうちに副業で業務委託を経験しておくと、それがそのまま「実務経験」としてエージェントに語れる材料になります。いきなり独立せず、副業で足場を作ってから転身するのは、リスクの低い王道ルートです。
注意点は2つ。1つ目は、会社の就業規則で副業が認められているかを必ず確認すること。2つ目は、本業の競合や、身元が特定される発信を避けることです。
受けた案件は、成果をできるだけ数字で記録し、ポートフォリオにまとめておきましょう。これが次の案件獲得の決め手になります。ポートフォリオの作り方は、こちらで具体的に紹介しています。
→フリーランスのポートフォリオの作り方
X・ブログで発信して「見つけてもらう」導線をつくる
クラウドソーシングや副業で実績がたまってきたら、X(旧Twitter)やブログでの発信も並行して育てておくと効果的です。
Webマーケ・ディレクションの知見を発信し続けると、「この人に頼みたい」という直接の問い合わせにつながることがあります。フォロワーが少ない段階では即効果は出ませんが、手数料のかからない直接契約のチャネルとして、長期的に育てておく価値があります。
経験者はエージェントが最短|レバテックで案件を取った実体験
ここからは、すでに実務経験がある人向けのパートです。私自身が転身時に使ったエージェントの実体験を紹介します。
レバテックを選んだ理由
私が最初に登録したフリーランスエージェントはレバテッククリエイターです。Webデザイナー・Webディレクター・マーケターなど、Web・クリエイティブ系職種のフリーランス向けのサービスで、広告運用や制作ディレクションといった私の経歴とも相性がよく、しっかり対応してもらえました。
選んだきっかけは、転身の2年ほど前に試しに登録したとき、「あなたの経験なら今すぐこれだけの案件を紹介できる」と、思っていた以上に前向きな反応をもらえたことです。それが、フリーランス転身を現実的な選択肢として意識するきっかけになりました。
▼ 実務経験がある人向け
登録から案件獲得までの流れ
レバテックへの登録から最初の稼働開始までの流れを、実体験ベースで紹介します。
まず公式サイトの登録フォームに必要事項を入力します。登録後、担当コーディネーターから連絡が来て、オンライン面談の日程を調整します。
面談では、これまでの職務経歴・得意なスキル・希望する案件の条件(業種・稼働日数・単価・リモート可否など)を詳しくヒアリングされます。この面談が後の案件紹介の精度に直結するので、自分の経験はできるだけ具体的に伝えるのが大事です。
その後、条件に合う案件の紹介が始まります。案件によってはクライアントとの面談(スキル確認面談)が設定され、これを通過すると条件交渉・契約手続きに進みます。私の場合、登録自体は転身の2年ほど前でしたが、フリーランスへ切り替える方向で案件を本格的に探し始めてから参画が決まるまでは1ヶ月強でした。
Webマーケ・ディレクター系でエージェントを使うときの注意点
レバテッククリエイターはWeb・クリエイティブ系に強いサービスですが、Webマーケ・ディレクション系の案件は時期によって絶対数が限られることもあります。だからこそ、複数のエージェントに登録して選択肢を広げることを強くおすすめします。
私は転身時に1社だけに登録しましたが、あとから「もっと複数登録しておけばよかった」と感じました。エージェントごとに得意な業種・案件の傾向が違うため、2〜3社を同時に使って比較するのが理想です。
もう一点、年齢についても正直に触れておきます。エージェント経由の常駐案件(週5・チーム参画型)は、クライアントとのカルチャーフィットが重視されるぶん、年齢が影響しやすい土俵でもあります。40代以降は、エージェント一本に絞るのではなく、直請け・紹介・副業、そして専門性や成果で選ばれる仕事(年齢が効きにくい土俵)も並行して持っておくと、案件が途切れにくくなります。
案件獲得のカギは職務経歴書・スキルシート
フリーランスの職務経歴書は「実績の数字」が命
エージェント経由でも直接応募でも、職務経歴書・スキルシートは案件獲得の最重要ツールです。会社員時代の転職活動とは、少し見せ方が変わります。
会社員の転職では「どんな業務をやってきたか」が問われますが、フリーランスの案件では「自分を採用するとクライアントに何をもたらせるか」が問われます。業務の説明だけでなく、実績を数字で示すことが重要です。
「広告運用を担当していた」ではなく、「月間予算◯◯円のリスティング広告を運用し、CVRを◯%改善した」「SEO施策を主導し、6ヶ月でオーガニック流入を◯%増やした」と書けるかどうかで、印象が大きく変わります。
私がスキルシートで意識した3つのポイント
1つ目は、業務ごとに関わった予算規模・数値改善の実績を明記すること。数字がないと「なんとなくやっていた人」に見えてしまいます。正確な数字が出せないときは「月間◯万円規模」「前年比◯%改善に貢献」という形でも、ある程度の具体性は出せます。
2つ目は、使用ツールを具体的に列挙すること。Google Analytics・Google Search Console・Google Ads・Meta広告・MAツール・GTMなど、実際に触ったツールを正確に書きます。習熟度(日常的に使える/基本操作ができる等)も添えると親切です。
3つ目は、「上流から下流まで関われる人材」であることを伝えること。Webマーケ・ディレクター系のフリーランスには、一人で幅広い領域をカバーできることを期待するクライアントが多くいます。私の場合、広告運用・SEO・アクセス解析・制作ディレクションと幅広く経験があったことが評価につながりました。
「器用貧乏」は、実はフリーランスの強みになる
会社員時代、私は自分の経歴を「器用貧乏」だと思っていました。一つの専門を深掘りしてきたわけではなく、転職エージェントには評価されにくい経歴です。
ところがフリーランスとして案件を探す場面では、この「幅広さ」が強みになりました。一人で複数の役割をこなせる人材は、特にスタートアップや中小企業に重宝されます。「自分はWebマーケの専門家ではない」と思っている人ほど、経験の幅を過小評価していることが多いです。
最初の案件で意識したこと
最初の案件は「条件より経験」で選ぶ
フリーランス最初の案件は、単価だけで選ぶのではなく、「ポートフォリオとして使えるか」「継続的に学べる環境か」という観点で選ぶのがおすすめです。
最初の案件の実績が、次の案件獲得の基盤になります。実績ゼロからスタートするなら、最初の一件を早く・しっかり取ることが最優先です。
ただし、極端に条件が悪い案件や、スキルと大きく乖離した案件を無理に受けるのはおすすめしません。できないことを「できます」と言ってしまうと、稼働開始後に苦労を背負うことになります。
クライアント面談で意識したこと
エージェント経由でクライアント面談(スキル確認面談)が設定されたとき、私が意識したことを書きます。
相手が一番確認したいのは「この人に任せて大丈夫か」という安心感です。スキルの高さを証明するより、コミュニケーションの取りやすさ・課題への理解度・納期や品質への責任感を伝えることが大事だと感じました。
具体的には、事前にクライアントの事業・サービス・課題を調べてから面談に臨み、「御社のこういう課題に、私はこう貢献できます」と話せるかどうかが、印象を大きく左右します。
単価交渉のリアル
最初の案件の単価交渉は、エージェントが間に入ってくれたので、直接クライアントと交渉する必要はありませんでした。ただし、エージェントに「希望単価」と「受け入れられる最低単価」を事前に明確に伝えておくことが大事です。
なお、フリーランスのWebマーケター系案件の単価は、案件紹介サイトの公開データを見ると、月60万〜80万円台がボリュームゾーンとされています(2026年時点・各案件サイトの公開データより。経験・稼働日数・スキルで大きく変動します)。自分の市場価値をつかむには、複数のエージェントから「あなたの経験なら月◯◯万円〜の案件を紹介できます」という情報を集めるのが、もっとも精度の高い方法です。
案件が途切れないようにするために意識していること
1社依存のリスクと、複数チャネルの重要性
フリーランス最大のリスクのひとつが、案件が途切れることです。会社員なら会社がなくならない限り翌月も収入がありますが、フリーランスは契約が終われば即収入がゼロになります。
このリスクを抑えるために、私が意識していることが2つあります。1つ目は、複数のエージェントに登録し続けること。今の案件が安定していても、次の案件を常に頭の片隅に置いておく習慣が必要です。2つ目は、人脈づくりです。前職の同僚やフリーランス仲間とのつながりを保ち、近況をやり取りしておくと、紹介や直接の声がけから次の案件につながることがあります。
スキルを継続的にアップデートする
Webマーケティングは変化が速く、去年まで有効だった施策が今年は通用しない、ということも珍しくありません。継続的に案件を獲得するには、スキルのアップデートが欠かせません。
私が日常的にやっているのは、業界ニュースのチェック・オンライン学習・他のフリーランスとの情報交換などです。業務の中で新しいツールや手法に積極的に触れる姿勢が、クライアントからの継続依頼につながると感じています。
まとめ
Webマーケ・ディレクター系のフリーランスが案件を獲得するためのポイントをまとめます。
- 未経験・副業はまずクラウドソーシングで小さな実績を作る(登録無料・リスクなし)
- 実務経験があるなら、エージェントに複数登録するのが最短ルート
- 職務経歴書・スキルシートは「数字で語る実績」を軸に整える
- 「幅広い経験」はフリーランスでは弱みではなく強みになる
- 最初の案件は単価より「実績になるか・学べるか」で選ぶ
- 案件が途切れないよう、常に複数のチャネルを持っておく
エージェントもクラウドソーシングも、登録は無料です。「自分の経験でどんな案件が取れるのか」を知るだけでも大きな収穫になるので、転身を検討中の段階から動いておくことをおすすめします。
▼ 実務経験がある人向け
※未経験・副業の方は、本文中のクラウドソーシング(クラウドワークス/ランサーズ/ココナラ)から始めてください。
フリーランス転身前の準備全体は、こちらにまとめています。
→フリーランス転身前にやっておくべき準備リスト
仕事で使うツールについては、こちらで紹介しています。
→フリーランスにおすすめのクラウドツール
よくある質問
- Webマーケ・ディレクターでもフリーランスエージェントは使えますか?
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使えます。エンジニア向け案件が多いエージェントでも、Webマーケ・ディレクション系を扱うところは多くあります。複数登録して、Webマーケ系の実績が豊富なエージェントを見つけるのがおすすめです。
- 未経験からWebマーケフリーランスを目指せますか?
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エージェント経由は実務経験が前提のケースがほとんどです。未経験ならまずクラウドソーシングで実績を積む・副業でポートフォリオを作るなど、経験を積む段階が必要になります。
- 副業から始めても大丈夫ですか?
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むしろおすすめです。会社員のうちに副業で業務委託を経験しておくと、実務経験としてアピールでき、転身のリスクも下げられます。ただし就業規則で副業が認められているかは必ず確認しましょう。
- 最初の案件獲得まで、どのくらいかかりますか?
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経験・スキル・希望条件で大きく変わります。私の場合、登録自体は転身の2年ほど前でしたが、フリーランスへ切り替える方向で案件を本格的に探し始めてから参画が決まるまでは1ヶ月強でした。条件を絞りすぎると時間がかかるため、最初は多少幅を持たせるのも一つの手です。
- クラウドワークスとランサーズ、どちらがいいですか?
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最初は両方に登録するのがおすすめです。10万円以下の案件はランサーズのほうが手数料が低く、高単価案件ではクラウドワークスが有利になる場面もあります。案件は日々変わるので、両方見比べて自分に合うほうを使い込むとよいでしょう。
- エージェントの手数料はどのくらいですか?
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マージン率は非公開のエージェントが多く、相場はおおむね10〜25%程度(高めだと20〜30%とも)と言われます。ただ、率そのものを無理に確認する必要はありません。エージェントから提示されるのは手数料を引いたあとの金額(=あなたの手取り)で、率が何%かは手取りに直接影響しないからです。気にすべきは率より、複数のエージェントから提示される手取り(単価)を見比べることです。

